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家庭でのエネルギー消費と二酸化炭素排出の半減 (西台 惇)

 西台 惇

1.民生のエネルギー消費

日本全体のエネルギー消費(石油換算年間約4.5億トン)の10%を家庭で消費すると言われています。これに自家用車のエネルギー消費が20%ほど上乗せされます。
これを半減できれば総消費が6%節減できます。

2.省エネ共和国の電力消費

ENEKAN Vol 3 P25によるとエネカン会員、共和国メンバーの平均電力消費は年間4,700Kwhです。400kwh/月となります。

3.快適な生活の平均的なエネルギー消費

 消費量例/月費用/月CO2単位CO2排出量
電力400KwH10,000 円0.36kg/KwH144 kg
ガス 50㎥ 7,500 2.1kg/㎥105
水道20㎥4,6000.58kg/㎥ 12
ガソリン50L5,600 2.3kg/L115
灯油(平準化して)30L1,5002.3kg/L 69
合計 29,200 円  445 kg

この例は平均的な家庭でのエネルギー消費を示しますが、CO2排出量は年間5.3トンに及びます。
家庭エネルギーが半減できたら総エネルギーの6%が節約されます。
そして1億人のこの志向は、多くの更なる社会的波及効果を上積みしていくことになるでしょう。

4.半減生活はどれほど快適さを損なうか

快適なエネルギー消費生活から見るとき、半減生活はどれほど惨めなものになるでしょうか。
N氏(老夫婦と超高齢介護老人の3人所帯)の具体的な生活態度例を以下に紹介します。

(1)電灯、TVなどのスイッチはこまめに切るが、待機電力までは気にしない。
(2)エヤコンがない。しかし扇風機があれば、慣れれば室温33℃でも昼寝が出来る。読書、パソコンは昼寝よりもっと容易。体力のない101歳の老人が平気であることは、暑さが健康に支障をきたさないことの証明。むしろ発汗機能が高まり新陳代謝を助けます。
(3)20時頃からタイマーセットした換気扇で寝室への外気吸入を始める。(夜気冷房)2~3時間で室内温度は30℃位に下がる。特に暑い日は明け方3時頃に切れる。30℃であればゆるい扇風機の風で安眠できる。29℃であれば扇風機も不要。
(4)冬場は少し寒いが、風呂の湯に浸かる前に簡単にでも体を洗う。温まってから丁寧に洗う。2日目もこの湯を利用するためである。(風呂利用は2名。前に洗うと洗わぬとでは湯の汚れは歴然と違う。)
(5)夏、冬を問わず2日目はガスが半減する。水道水は若干の追加だけ。
(6)洗濯は、洗いと濯ぎ各50Lを風呂の残り湯からポンプで汲み上げ利用する。最後の濯ぎのみ上水を使う。
(7)屋根、壁、窓ガラスの断熱を十分に配慮したから、厳冬期でも居間、食堂併せての暖房は小型の石油ファンヒーター一台で事足りている。
18℃に設定して19℃前後で制御されている。特に寒くはない。
超高齢者室では冬場はホーム炬燵を常用。
灯油消費は一冬で180L程度。寝室は暖房なし。電気毛布の利用のみ。
(8)自動車を持たない。歩くのは平気、むしろ楽しむ。荷物運搬は自転車を利用。(7~8kmが行動範囲)日常散歩をする必要は無い。(市場の買い物まで自動車を使って、運動不足をかこつ人もある。)
(9)外出では、京都での公共交通機関の便利さを満喫。何の不便もない。いつでも好きな酒が飲めるのが好都合。

上記生活習慣のN氏のエネルギー支出表は次のようです。

項 目消費量/月費用/月CO2単位CO2排出量
電力200KwH5,000 円0.36kg/KwH 72 kg
ガス 30㎥4,5002.1kg/㎥63
水道15㎥3,4000.58kg/㎥9
ガソリン (※1)0 L0 2.3kg/L 0
灯油(平準化して)15 L7002.3kg/L 35
合計 13,600 円  179 kg

(※1) 公共機関利用分の上乗せを必要とするが評価法不明につき省略
以上の日常生活でも特に耐乏生活感はない。

5.結び 家庭エネルギー半減は現実的

注(※1)の評価の甘さは残りますが二つの表のCO2排出量比では40%であって、「もし~であったら」などの願望的制度変革を待たずとも家庭エネルギー半減は「自動車を売り、クーラーを外す」だけでほぼ実現できます。

以 上

Written by Shingu : 2005年08月27日 16:38

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