トップへ戻る

科学 哲学 宗教

(財)若狭湾エネルギー研究センター
NPO京都エネルギー環境研究協会
新宮秀夫

地球以外の宇宙に生物は存在するだろうか? 生物、特に考える機能が人間ほどまで発達した生物が存在すると仮定する時、その“生物”を仮に宇宙人と呼ぶとして、果たして宇宙人と我々人間とが、必然的に共通に有する事柄は何であろうか? それを考えて見ることは、我々が如何に生きるべきか、についての示唆を与えてくれるような気がする。
 共通性の第一は科学であろう。 我々の住んでいる宇宙のメカニズムは例えば光速 c などの物理定数によって規定されている。 宇宙人も進歩の程度に従って c を発見するであろうし、我々がまだ発見していない科学的原理を宇宙人がすでに知っているとしても、人類が今後1000年とか存続するならば、その同じ原理も発見されて行くはずである。
 哲学はどうであろう。 哲学とは端的に言えば、原理、公理、といわれるような、科学や常識の根本を考えるものである。 科学では矛盾を認めないが、果たして矛盾は認めないことが正しいのか否か? 宇宙に絶対と呼び得るものがあるか? 絶対とはなにか? を考えるのが哲学である。 となると、科学が宇宙人と共通なら、哲学も共通であろう。
 最後に宗教である。 神様が、ほら、私こそこのとおり神ですぞ、と正体を現したとしたら、誰もがそれは神でないと気づく。 すなわち、正体が現れない、身分証明のないことが、そもそも神の定義なのである。 しかし、けっして存在を知る事の出来ない、あるかも知れないが、けっして理屈で理解できないものを、ある、と信ずる人(地球人)はいるし、宇宙人にもそう信じている人(?)がいるかも知れない。 それらの人々、宇宙人達を誰も非難できない。 となると、宗教(信ずること)も宇宙共通と思える。 これらを整理して見ると、下記のようになろうか?

Reductio ad absurdum.....Science
矛盾律で真、偽を判定する。

Cogito ad infinitum......Philosophy
矛盾についての悩みにはキリがないけど考え続ける。

Credo quia absurdum......Religion
矛盾している(ありえない馬鹿馬鹿しい事)だからこそ信ずる。

未来エネルギー研究協会講演

Written by Shingu : 2005年08月04日 17:21

トップへ戻る